サラの日記69(どうして私に見せるの?)

銀菓神暦2015年6月14日

研究室お休み。

お休みで良かった。
昨日のあの調子で今日が続いていたら、ルセット先生から離れられなくなってた。

もしも、先生同士とか学生同士の立場で出会っていたら、
もしも、見ず知らずの他人で、一瞬すれ違うだけの出会いだったら、
それでも魅(ひ)かれてた?

たまたま「知ってる人」になれる環境の中で出会えたのって不思議。

ルセット先生にお借りしている橘の写真集をゆっくり眺めました。
ルセット先生が撮った橘。
先生にはこんな風に見えてるんだ……。

私のことはどんな風に見えてるのかな。
ぱっとしない教え子?
メランジェ先生のところに移っちゃった宙ぶらりんな子?
いつも製菓室で居残りしてる子?
やっぱり……、おとなしい子?

いっぱい見てもらいたい。
でも、出し方の加減が分からないよ。

写真集の最後のページにだけ、橘ではない写真がありました。
<沙羅双樹(サラソウジュ・サラノキ)>

撮影日は2015年5月10日。
――木べらの日だ――

ルセット先生の手書きのメモも。
「そろそろ白い花が咲くよ」

ねぇ、先生。これは偶然? 偶然気に入った写真がこれだったから載せたの?
どうして私に見せるの?
これも先生の仕事なの?