サラの日記662(ええ、もちろん、銀菓神使だって人の子です。)

銀菓神暦2017年1月27日

昨日ルセット先生からの鋭い交信があったあと、今朝目が覚める前までの記憶がありませんでした。
私が目を覚ますとルセット先生はとっくに身支度を済まされていて、菓子工房ミヤマエの朝の仕事に出掛けようとしていらっしゃるところでした。
ルセット先生は私が目覚めたことに気付くと、「今日は何も考えずにゆっくりしてるといいよ。この部屋から出るのは構わないけど、このフロアからは出ないこと。いいね?」と、まるで子供に言いつけでもするような口ぶりです。
「ねえ。私、なんにも覚えていないの。何があったの? どうなったの?」
すると、ルセット先生はちょっと困った顔をされましたが、答えはありませんでした。

出るなと言われると出たくなるのが人情です。
ええ、もちろん、銀菓神使だって人の子です。
こっそり植物館を覗きに出掛けました。
が……。
植物館がばらばらです。
何かに吹き飛ばされたような事態になっていて、立ち入り禁止のロープが張られています。

急に後ろから誰かに両肩をつかまれました。
ルセット先生でした。
「だから『出るな』と言ったんだ……。嵐のアロゼを封じ込める方法を考えろ……」
今日のルセット先生も、冷たくて鋭い。