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サラの日記609(メランジェ先生からのその質問に答えるよりも先に、涙が出てきてしまいました。)

銀菓神暦2016年12月5日

じっとしていられませんでした。
朝一番でメランジェ先生に相談しました。
「学部の講師でも職員用の寮って入れるんですか?」
メランジェ先生は「ん?」と私の方を見詰められました。
「職員用の寮ですか?」
「はい。入りたいんです。講師じゃだめなんですか? 常勤の、正規の職員にならないとだめなんですか?」
「おやおや、サラさん。どうされました?」
きょとんとされていたメランジェ先生の表情が、ゆっくりといつもの優しい笑顔に戻りました。
「……独り立ちしたいんです」
「ルセット先生には相談されましたか?」
メランジェ先生からのその質問に答えるよりも先に、涙が出てきてしまいました。
「話せていないのですね」
メランジェ先生は、かすかにため息をつかれました。

と、ルセット先生がメランジェ研究室に飛び込んで来られました。
「サラ! 心配させてごめん!」
メランジェ先生はそっと研究室を出て行かれました。

ルセット先生は私の両肩をしっかり掴んで、私を真っ直ぐに見詰めてこう言われました。
「サラが心配しているようなことは絶対ないから」
「……でも、シュウちゃんの波動とぴったり」
「それには訳があるんだ。でも、サラが心配しているようなことじゃない」
「私、もう、ミシェルのそばには……」
「居て欲しい。ずっと。今、そのために動いてる。信じて……」

不意に、勢いよくドアが開きました。
ジャックさんが私とルセット先生を交互に見ています。
「え? あ……。こんなところで何やってんだよ。そういうのは家に帰ってからにしてくれる?」
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