サラの日記540(半分はにかんで、半分笑っています。)

銀菓神暦2016年9月27日

放課後、メランジェ研究室で今日の報告とまとめをやっていたら、学部生のあの子が訪ねて来ました。
「サラ先生。特殊着装、見せてもらいに来ちゃいました」
半分はにかんで、半分笑っています。
メランジェ先生が「どうぞ行っておいで」という視線を送ってくださったので、彼女と屋上に上がりました。

彼女が、特殊着装の口元に手を伸ばします。
「サラ先生。触ってもいいですか?」
「うん。どうぞ」
「苦しいんですか? これで横笛吹くの」
「ううん。息は苦しくないの。指は動かしにくくなるけどね。着装でお菓子を作るのと同じぐらいには」
「着装でお菓子を作るのって動きにくいんですか?」
「大丈夫よ。歴代の院生はみんなやってるんだから」

そのあと、空が暗くなり始めるまで、彼女は私の横笛に、心地良さそうに耳を傾けてくれていました。