スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サラの日記500(ルセット先生は私の両肩に手を掛けたまま黙り込んで、目を伏せてしまわれました。)

銀菓神暦2016年8月18日

アグルムの聖石は力のある輝きを取り戻しました。
ついでに自分の身体も癒されたような気がしています。

「もしもね、もしもの話なんだけどね、もしも私が、昨日みたいなここの秘密を知ったまま嫁ぐのをやめたら、どうする?」
冗談のつもりで言ったその言葉に、ルセット先生は予想以上に敏感に反応されました。
「どうした?」
「ん……。もしもそうなったらどうなのかなって思ってみただけ」
「……構わないよ。全ては僕の考えでやってること。サラは自由だ。今も、これからも」
「冷たい……」
「ん?」
「その言い方、冷たい」
「じゃあ……訂正する。サラと、同じ時代の同じ世界に、居られるだけ幸せだと思ってる。今、こんなに近くに居られることは……」
ルセット先生は私の両肩に手を掛けたまま黙り込んで、目を伏せてしまわれました。
「どうしたの?」
「オレリア……」
ルセット先生は一つ前の時代の私の名を口にしながら、私の肩を抱きしめられました。

私は、普段の生活でほとんど意識することのない「永遠(とわ)の記憶の呪縛」だけど、ルセット先生はずっと苦しんでる。
私に、癒しのアロゼに、今のルセット先生を癒せるだけの力があるのなら……と、アグルムの聖石を握りしめながら、ルセット先生に癒しのアロゼを掛けました。
――あれ?――
ルセット先生の意識体の中に、小さな青紫の光のかけらのようなものが舞っています。
まるで、ルセット先生の意識体の一部であるかのように、癒しのアロゼに反応しています。
メンテナンス直後のアグルムの聖石は、私にいつもよりも強い感性を与えてくれています。
――カリンさん? ううん。違う。これはミシェル。カリンさんじゃない――
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。