サラの日記493(この光がカリンさんにも届けばいいと、伝心(でんしん)のアロゼを使いました。)

銀菓神暦2016年8月11日

空が暗くなった頃、城の屋上で花火大会をしました。
集まったのは、ルセット先生とジャックさん、ゾエさん、ウィルさん一家。それと大工さんたちも。設営をしてくださったのは大工さんたちです。
――タツキちゃんも一緒だったら楽しかったんだろうな……――
そう思いましたが、でも、ジャックさんとゾエさんが二人一緒のところには呼べませんでした。やっぱり。

この光がカリンさんにも届けばいいと、伝心(でんしん)のアロゼを使いました。
ほかの人たちは気付いていない様子でしたが、ルセット先生はちらりと私の方を見られました。でも、それだけで、特に何かを聞こうとはされませんでした。

気が付くと、城の周りには人だかりができていました。
花火の音に気付いた人たちが城からぞろぞろと出てきて、公式行事にしては小さ過ぎる私たちの仲間内だけの花火大会に、いつの間にか参加してくださっています。

上弦の月が、きれいに輝いています。
月の輝きの中に、一瞬、青紫の小さな光が重なったような気がしました。