サラの日記455(「なれないと思いたい?」 )

銀菓神暦2016年7月4日

ツグミさんに話しました。
ルセット先生の、本来全てが闇であるべき意識体に、光がにじみ出てしまっていることを。
そして、その分離を手伝って欲しいということを。

「そんな大事なことを私に話して大丈夫なんですか?」
ツグミさんは声のトーンを落として、私の方を真っ直ぐ見詰めてたずねます。
「……大丈夫。ツグミさんもいずれ、私と同じになるから」
「サラさんと……同じ? ですか?」
「うん。多分、あと二年もしないうちに」
私がそう言うと、ツグミさんはくすくす笑い出しました。
「サラさんって予言者みたいですね」
「予言じゃなくて、勘よ。きっとそうなるわ。だから、予行演習」
「私、どうなるんですか?」
ツグミさんは真面目な顔になりました。
「パートナーを護る人になる」
「パートナーになれると思いますか?」
「なれないと思いたい?」
ツグミさんはゆっくり首を横に振りました。
「じゃあ、手伝って。きっといい経験になるわ。私一人じゃ難しいの。ツグミさんの、セパレの力が必要なの」
今度は、ツグミさんの首がゆっくり縦に動きました。

今夜は新月。
闇の中で、私はルセット先生を護ります。
自分の意志で、ツグミさんの力を借りて。