サラの日記449(ルセット先生を抱えたまま緊急用鳥居を出して)

銀菓神暦2016年6月28日

誰にも見つからないように、闇を扱えるようになりたい。
のまれてしまうことはないと確信できるほどの力を身に付けたい。

放課後のツグミさんへの特別講座が終わった頃になっても、ルセット先生が帰ろうとされる様子がないので、地下製菓室を覗きに行きました。
ドアの隙間からこっそり覗くと……、
ルセット先生が、あの酸っぱい闇寄りの銀菓宝果の飲み物を片手に、アロゼの技を使っていらっしゃいました。

――どういうこと? ルセット先生が光の技を?――
自分の中だけで思ったはずだけど、あまりの動揺に、ルセット先生にも通じてしまったようです。
「ばれちゃったか……」
ルセット先生が照れ笑いしながらドアの方へ歩いて来られました。
「僕なら技の処方箋も調整できる。光にはのまれない。自分を光から守るためではなく、サラを闇から守るために光を使いたいと……、そう思ったらできた」
ルセット先生はそう言いながら私を抱きしめてこられましたが、なんだか様子が変です。
ルセット先生の身体から力が抜けて、体重の全てが私に預けられました。
声を掛けても返事がなく、気を失っていらっしゃいます。

――うそばっかり。失敗してるじゃない。ミシェル、光にのまれてるじゃない……――
ルセット先生を抱えたまま緊急用鳥居を出して、城に帰りました。