サラの日記435(「さぁーてと。彼女には僕の正体を明かすしかないかな?」)

銀菓神暦2016年6月14日

今日中にいただく覚悟です。
エマルション先生の力の欠片を。
アロゼの力で闇を使えそうだということは確信しましたが、使い方が分かったわけではありません。そのヒントに、やっぱりエマルション先生の力の欠片が必要です。
エマルション先生の姿を追いかけていると、やっぱり誰かに見張られているような気配がするのですが、そんなことを構っている暇はありません。

エマルション先生が、植物館の鳥居をくぐってどこかに行かれました。
チャンスです。
ミエットの力を使って、鳥居の中に散っている、エマルション先生の力の欠片を集めます。
ケンジさんにいただいた、ペンダントの鳥居の中に、メランジェ先生の力の欠片とエマルション先生の力の欠片が集まりました。

後ろが気になって、勢いを付けて振り返りました。
はっとした表情のツグミさんがこちらを見ています。
私も、ツグミさんがここに居るわけを悟って、はっとしました。
「違うの!」
そう言ってツグミさんを追いかけますが、途中で見失ってしまいました。

1年生の棟にも、私が笛を吹く屋上にも、ツグミさんの姿は見当たりませんでした。
放課後の製菓室を覗いてみると、待ちぼうけしているルセット先生がいらっしゃいました。
「あ、……あっ、サラか……」
「ツグミさん、来てないの?」
「うん。ちょっとおかしな子だけど、無断欠席するような子じゃないんだけどな……」
「ねえミシェル。私、ツグミさんに誤解されてるかもしれない。どうしよう……」
「どうしたの?」
ルセット先生はいつものように落ち着いて、ツグミさんの誤解のもとになっているであろうできごとの一部始終を聞いてくださいました。

「さぁーてと。彼女には僕の正体を明かすしかないかな?」
私の話を聞き終えたルセット先生は、冗談めかした口調でそんなことを言われました。
「だめよ!」
「大丈夫だよ。嘘はつかないが、全てを言う必要もない。そうだろ?」