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サラの日記423(きらきらと消えていきました。)

銀菓神暦2016年6月2日

直接会いに行くのが一番早いことは分かっています。
でも、本当にそうしていいのかどうか自信がありません。
お昼休みに研究室を抜け出して、カリンさんの居る島の見える、あの橋の上に行ってみました。

島に向かって、カリンさんに届いて欲しいと願って、西瀬忍(にしせしのべ)を吹きます。
私の高音に合わせるような低音が、私の低音に合せるような高音が、聞こえてくるような気がします。
私の西瀬忍によく似た、でも、どこか愁いを帯びた(うれいをおびた)音色。
助けてくれるともくれないとも分からない音色。

――カリンさんも迷ってる……――

メランジェ研究室のドアが開いて、メランジェ先生が出て来られました。
「おお、サラさん、いいところに。捜していたんですよ……」
メランジェ先生の声がゆっくり低くなっていきます。私の肩の辺りを見つめていらっしゃいます。
私も、メランジェ先生の視線に促されるように、自分の肩に目をやりました。

暑さで少し形を崩したキキョウの花が、慌てて姿を隠すかのように、きらきらと消えていきました。

メランジェ先生は、そのことについては何もおっしゃいませんでした。
「面白いクリームができたんですよ。サラさんにも見せたいと思ってね」
「……はい」
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