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サラの日記408(届いているのかどうか分からないメッセージを送ります。)

銀菓神暦2016年5月18日

研究室にも、製菓室にも、ルセット先生の姿がありません。
一人で鳥居を使った気配もありません。
――だったら……、地下?――

久しぶりに地下製菓室のドアに手を掛けました。
鍵は掛かっていませんでした。
中から声が聞こえます。ルセット先生と……ツグミさんの声。とっても仲の良さそうな……。
そのまま、屋上まで階段を駆け上がりました。
1年生の時の、地下製菓室でのルセット先生との思い出が、一気に頭の中を駆け抜けていきます。

何か個別指導が必要なことがあったのかもしれないってことは、頭では分かっています。
ツグミさんの本当のお目当てがルセット先生ではないことも、なんとなく分かっています。
でも……。

――私だけじゃないんだ……――
そう思ってしまって、制御できない気持ちが涙になって溢れてきます。

胸の奥で、誰かの声が聞こえます。
<……サラさん。……サラさん>
ケンジさんの声のような気がしました。けれど、声はそれっきり聞こえません。

<今はだめなの。ケンジさんには頼れない>
届いているのかどうか分からないメッセージを送ります。
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