サラの日記383(城の近くをこの格好でうろつけないよ)

銀菓神暦2016年4月23日

中庭で、ツグミさんがルセット先生の研究室を見上げていました。
人の気配が無いことを感じたのか、1年生の棟の方へ戻って行くのが見えました。

<近くまで帰って来たよ>
ルセット先生からの交信です。
<どこ?>
<ひどい格好になっちゃってるからさ、研究室には行かずに城の方に帰るよ。夕方には着くかな。ウィルに頼んで車を回してもらいたいんだ。目立たない方のでね。城の近くをこの格好でうろつけないよ>
ルセット先生から、待ち合わせ場所のイメージが伝わってきました。
<うん、分かった。気を付けてね>

ウィルさんと一緒に、城から10kmほど離れた森に、ルセット先生を迎えに行きました。

「ただいま、サラ。日頃、どれだけ銀菓神使の力に頼り切っていたかを思い知らされる旅だったよ」
ルセット先生はそう言って車に乗り込むと、私の肩に寄り掛かって、すぐに寝息を立て始められました。