サラの日記366(でも、私はそこが気に入ってる。お菓子ってそういうものだから)

銀菓神暦2016年4月6日

明日から2年生。
今日は1日掛けて道具の手入れをしました。
屋上に木べらを干しました。
乾くのを待っている間、小屋で休んでいたら、ルセット先生も屋上に上がって来られました。

「春休みに見せられるように、って開発していたものがあるの」
「何?」

手の届く範囲に漂っている、シロップの素になる粒子を結晶化させるイメージで空中に手をかざすと、
結晶化したシロップの横笛が現れました。
今日の気分を音にして流します。

やがて、結晶化したシロップの横笛は、光の粒になって消えていきました。

「吹くと4、5分しかもたないの。でも、私はそこが気に入ってる。お菓子ってそういうものだから」
「いいのができたね。……サラが、自分の手でつかんだ技だね」
ルセット先生は、光の粒が消えていったそのあとを、ゆったりと穏やかな表情で、いつまでも見詰めていらっしゃいました。