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サラの日記321(「あそこはいずれ、ジャックとゾエのものになるよ」)

銀菓神暦2016年2月21日

研究室はお休みです。

ルセット先生が、城の中でなら歩けるようになったので、2人でゆっくりお散歩しました。
でも、行き先はジャックさんのところのハーブ園と屋上。
だから、いつもとあまり変わらない。
だけど今日は、いつもと変わらないことをルセット先生と2人でできるっていうことが幸せでした。

ジャックさんが淹れてくれたハーブティーを持って、屋上でゆっくりいただきました。
いつだったか実家の菓子工房に移動用鳥居を建ててくださった方たちが、王子が屋上でお茶をするらしいという噂を聞きつけて、「この時季に屋上でお茶会はお寒いでしょう」と、屋上に簡易小屋を建ててくださいました。

ケンジさんと一緒に2年生の棟の屋上で作業をしていた時、
枯れ葉をクッション代わりにしたり、銀菓神使スーツを着装して寒さをしのいでいたのを思い出しました。
――小屋を建てちゃえば良かったんだ――
って思ったり、
――いやいや、学校の屋上に勝手に小屋は建てられないな……――
なんて思ったりしました。

ルセット先生は いつもの調子で、新しくできた簡易小屋でのお茶に彼らを誘われましたが、簡易小屋は2、3人用の広さしか無くて、彼らは、「殿下、窮屈過ぎて小屋が壊れてしまいますよ」と笑いながら引き上げて行かれました。
多分、私たちを気遣ってくださったのだと思います。

できあがった簡易小屋は、今はプラクミーヌの領地になっている、ルセット先生の別宅に似た雰囲気がありました。
そう思ったのがルセット先生に伝わったみたいで、ルセット先生は、
「あそこも彼らが建ててくれたんだ」
と遠い目をされました。
「帰りたい?」
私がたずねると、ルセット先生は、
「あそこはいずれ、ジャックとゾエのものになるよ」
と遠い目のまま返されました。
でも、その目は寂しそうな目ではありませんでした。
温かくて余裕のある、何かを見守っているかのような目でした。
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