サラの日記294(ケンジさんが促してくださるままに、2年生の居る棟の中へ入りました。)

銀菓神暦2016年1月25日

大寒波の影響が少し残ってはいますが、いつも通りの週の初めでした。
2年生の居る棟の方が気になって気になって、どうしてもそちらの方ばかりを見てしまうこと以外は……。

ルセット先生に嘘をつきました。
お昼は研究室で一緒に食べようと誘われたのに、お昼休みの間に済ませたいことがあるからと言って断りました。
嘘……でもないのかもしれません。
お昼休みの間にしたいことは本当にあったから。

お昼休みは2年生の居る棟が見えるベンチに居ました。
風が冷たくて、寒くて、手の感覚が無くなりそうだったけれど、ケンジさんを見付けることができるかもしれないと思って、ベンチに居ました。
後ろからマントを掛けてくださる人がいました。
寒さで硬くなってしまった身体をゆっくり動かして振り返ると、ケンジさんでした。
「こんな寒い所で何をされてるんですか? 中に入りませんか?」
ケンジさんが促してくださるままに、2年生の居る棟の中へ入りました。

「お昼ご飯は? もう済まされましたか?」
ケンジさんが、私を案内するかのように半歩先を歩きながら尋ねられました。
私が首を横に振ると、ケンジさんは、
「じゃあ、一緒にいかがですか? 今、食堂の裏で材料の残り物を頂いてきたんです。これから作るので、一緒にいかがですか?」
と誘ってくださいました。

ケンジさんが作る料理は不思議でした。
食堂では廃棄されるはずだった食材の切れ端や揚げ物のカスなどが、ちょっとしたコース料理になってしまうんです。
ケンジさんが料理する姿を見ながら新鮮な驚きに包まれていると、ケンジさんは、
「こういうのもミエットの本業ですから……。時々食堂の裏で分けてもらうんですよ、練習用の材料として。食費も浮きますしね」
と、笑われました。