サラの日記275(『私は幸せでいなければならない。全ては貴方の幸せのために』)

銀菓神暦2016年1月6日

夢を見ました。
カリンさんが西瀬忍(にしせしのべ)を作っている夢でした。
季節は春。
私が、ルセット先生の研究室の所属になった頃。
他人(ひと)に頼まれたものではなく、自分の笛を作っているようでした。
カリンさんはその笛に想いを込めているようでした。
『私は幸せでいなければならない。貴方のために』
カリンさんが想っている「貴方」とは、おそらくルセット先生のこと。
『私は幸せでいなければならない。貴方が安心して幸せでいられるために』
『私は幸せでいなければならない。貴方が私を気に掛けずにいられるように』

夏。
ルセット先生との婚約が決まった頃。
カリンさんが、できあがったばかりの笛を吹いています。
『私は幸せでいなければならない。もう言葉にすることは許されない大切な想いを、せめてこの笛の音に乗せて届けることができるように』
『私は幸せでいなければならない。この音色を、嫉妬や悲しみで汚すことなく、貴方のもとに届けることができるように』

秋。
ルセット先生が私の西瀬忍をカリンさんに依頼した頃。
カリンさんは、作りかけの西瀬忍に向かって笛を吹いています。
『私は幸せでいなければならない。貴方が、旧知の者として、いつでも私を使えるように』
『私は幸せでいなければならない。貴方が愛する全てのものを、私も愛せるように』

そして今。
カリンさんは、これまでカリンさんが込めた想いでいっぱいになった笛を吹いています。
『私は幸せでいなければならない。全ては貴方の幸せのために』

カリンさんの吹く西瀬忍は、ルセット先生への想いであふれています。
でも、その音色に、嫉妬や悲しみなどの汚れは感じられません。
ただただ透き通っていて、はかなくて、美しい。

『私は幸せでいなければならない。全ては貴方の幸せのために』