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サラの日記204(中庭のベンチに座っていたジャックさんの横に座ろうと思ったら、ジャックさんが立ちあがって歩き始めました。)

銀菓神暦2015年10月27日

お昼休み。
中庭のベンチに座っていたジャックさんの横に座ろうと思ったら、ジャックさんが立ちあがって歩き始めました。
「待って。座って」
ジャックさんの腕をつかんでベンチの方へ引っ張ると、ジャックさんは渋々ベンチに座ってくれました。

「ね、何かあった?」
「何も知らない」
ジャックさんは低い声で答えました。
「え? 何も知らないって? 私、『何かあった?』って聞いただけなのに。何を知ったの?」
私がそう言うと、ジャックさんは「しまった」という表情をして、自分の膝に顔を埋め(うずめ)ました。
それから、膝に顔を埋めたままでこう言いました。
「見たんだ……」
「何を?」
「……ゾエちゃんが……兄貴と できてる」
ジャックさんはそう言い終わると、さらに深く膝の間に顔を潜り込ませました。

「試験の時、天戸キャンパス覗いたのね?」
私はジャックさんの肩を掴んで、ジャックさんを起こしました。
ジャックさんは力なく うなずきました。
「それ、ジャックさんの勘違いよ」
私がそう言うのを、ジャックさんは不思議そうに、さっきまでよりも少し力が戻って来たような視線で見ていました。
この一部始終をルセット先生に意識体のメッセージで送ると、
<2人で研究室においで>
と返事が返ってきました。

ルセット先生は、
以前からゾエさんに銀菓神使の力によく似た波動を感じていたこと、
ジャックさんとグラセさんの一件でゾエさんが銀菓神局から引き抜かれたこと、
ゾエさんはプラクミーヌの王女で、完全護衛付きの天戸キャンパスに所属することになったこと、
ルセット先生は花綵(はなづな)キャンパスでの仕事が無い時に天戸でゾエさんを教えていること、
ゾエさんは銀菓神使ルヴィーブルの候補者だということをジャックさんに話しました。

「いずれパートナーになる者だから教えた。ここまでは銀菓神使養成機関の教官としての話だ。で、今から言うことは銀菓神局には関係ない。花綵アグルムの王太子の立場からのお願いだ。ゾエのことは、まだ ほかには漏らさないで欲しい。ゾエにも、まだ素性は明かさないで欲しい」
ルセット先生は話の最後にそう言われました。
ジャックさんは黙ったまま うなずきました。
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