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サラの日記173(確かめたい。 ジャックさんに確かめたい。)

銀菓神暦2015年9月26日

放課後のメランジェ製菓室。
タツキちゃんが隣りにやって来ました。
「サラちゃん。私……」
タツキちゃんの視線の先にはジャックさんがいました。
掛けてあげられるような言葉は見付からなくて、作業台の上には、練習用クリームのデコレーションケーキが、ただ着々とできあがっていきました。

何も知らないジャックさんが同じ作業台にやって来ました。
「さっすがミロワール! ナッペの跡が つやっつやじゃん!」
タツキちゃんは ちらっとジャックさんの方へ目をやっただけで、そのまま作業を続けていました。
ジャックさんは いつものように ひょうひょうと、
「あれっ? タツキちゃん、なんか元気ない?」って。
タツキちゃんは、多分、元気を精一杯振り絞って、ジャックさんに にっこり笑い掛けました。

ジャックさんって罪な人。
誰にでも人懐っこくて優しいから、免疫の無い女の子の多くは勘違いしてしまうかもしれない。
ゾエさんのこともあるのに……。
あれ? ジャックさんはゾエさんを追いかけてるってことでいいんだよね?
タツキちゃんのことは、同じ研究室の仲間だから仲良くしようとしてるんだよね?
それとも……。
えっ?
ジャックさんもタツキちゃんが気になってるなんてこと、……ないよね?
確かめたい。
ジャックさんに確かめたい。

帰宅後も、
――確かめたい……。確かめたい……――
って思いながら過ごしていたら、
<何を確かめたい?>
って、ルセット先生からメッセージが届いちゃいました。
返事をするべきかどうか迷ったけど、明日のタツキちゃんに関わることだと思ったら、思い切って打ち明けるしかありませんでした。
<ジャックさんもタツキちゃんが気になってるんじゃないかって……。確かめたい>

夕食のあと、ルセット先生は「一緒に飲まないか」って、ジャックさんを部屋に呼ばれました。
ジャックさんが部屋にやって来ると、ルセット先生はドアを閉め終わらないうちに切り出されました。
「大事なことだから単刀直入に聞く。ジャックはタツキさんをパートナーにする気はあるか?」
「えっ?」
ジャックさんは目をまん丸にして驚いていました。
ルセット先生は続けられました。
「パートナーにできないなら、タツキさんとは距離を置くんだ」
ジャックさんはテーブルの席に着いて果実酒をひと口飲むと、
「分からない……」
と小さな声で答えました。
ルセット先生は何かを考えているような表情で、首を縦に2度ほど振られました。

『分からない』って、ジャックさんも迷ってるっていうこと?
明日は仮称号試験なのに、前夜にこんなことになるなんて……。
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