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サラの日記146(朝からずっと、ジャックさんと廊下で立ち話をしていて、気付いたらお昼になっていました。)

銀菓神暦2015年8月30日

栗色の髪の女の子、実家の両親は知らないようでした。
知らないけど、この間、その子かどうかは分からないけど、お客さんとして、そんな子が来たって言っていました。
私と同じぐらいの年頃の娘さんだったから、私の知ってる子かもしれないな……って思いながら接客して、印象に残ってるって。
そのこと、ジャックさんに話してみたら、明日から工房の手伝いに行きたいとかって言い出して……。
私とルセット先生は、お店には出ずに、呼び名を変えて、身分も隠して、開店前の工房のことだけを手伝ってるから、行ってもその子に会えないだろうって、一応話してみたんだけど……。
ジャックさんはそれでも行きたそうにしていました。

「ジャックさん、その子にそんなに会いたいの?」
「う、うん……」
ジャックさんは顔を赤くして下を向きました。
その様子を見て確信。
ジャックさんはその子が好きなんだ。
でも、名前も何も知らないみたいってことは……、一目惚れ?
「分かった。今度その子がお店に来たら、お客様カードを勧めてもらえるように両親に話しておくわ。そうすれば名前と連絡先は手に入るでしょ?」
「え?! いいの? そんなことしてもらえるの?」
ジャックさんの目は急にきらきらして、とっても嬉しそう。
「特別よ。ほかには絶対漏らさないでね。お店の信用問題になっちゃうから。それに、ひょっとしたらお客様カードは断られるかもしれないし……」
「うん、分かった! ありがとうサラちゃん! 持つべきものは頼りになる姉さん」
姉さんか……。
同級生なのに姉さん。
ま、いいか。

「サラー! ジャックも。そんなところで立ち話してないで、こっちにおいで」
ルセット先生の声がして、部屋のドアが開いて、おいしそうな匂いが流れてきました。
朝からずっと、ジャックさんと廊下で立ち話をしていて、気付いたらお昼になっていました。

「ね、あんなに長い時間、2人で何を話してたの?」
ルセット先生が、私とジャックさんの顔を交互に覗き込まれました。
「それがね、ジャックさんが」
私が話そうとすると、
「あ、サラちゃん、まだ兄貴には……」
と、ジャックさんが小声で止めに入ってきました。
私が、了解の合図の代わりに、ジャックさんに視線を送って にっこりすると、
「なんか妬ける(やける)な……」
って、ルセット先生がつまらなそうにされました。
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