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サラの日記134(婚約内定の発表は、朝10時から、花綵アグルム城の大広間で、小さく行われました。)

銀菓神暦2015年8月18日

婚約内定の発表は、朝10時から、花綵アグルム城の大広間で、小さく行われました。
また、その様子は、各種報道機関により、花綵アグルム国全土へと報道されました。
国の現状を考慮するという理由で、ルセット先生や私が公の場で発言することはありませんでした。

そのあと、国王陛下の計らいで、ルセット先生のご家族と私の家族だけでの、小さな婚約の儀が執り行われました。

ルセット先生宛てに、大学からの連絡も来ました。
国としては難しい事態ではあるけれども、教官として勤めるにあたっての学則には反していないので、これまで通りに勤めて構わないとのことでした。
それから、私にも。
メランジェ先生の強い推薦で、これまで通り、研究生として籍を置くことを許可すると。

「サラ。今日の内に、大学にあいさつに行っておこう」
小さな婚約の儀のあと、ルセット先生が、意を決したように立ち上がられました。
「うん」

ウィルさんが公用車を出してくださいました。

学長室を訪ねると、学長先生のほかに、各学科の学科長先生や事務職員の方が数名と、メランジェ先生もいらっしゃいました。
学長先生は言ってくださいました。
「お二人のご心労、お察しします。お二人は国同士のごたごたに巻き込まれていらっしゃるだけで、本来はおめでたいことなのですから、私達は祝福していますよ。お二人とも、これからの銀菓神界を支えていかれる貴重な方々なのですから、何か困りごとがあれば、遠慮なくおっしゃってくださいね。大学としてできることがあれば、微力ながら、協力させて頂きますよ。それから、これは、すでに公人であるお二人には今更なお願いなのですが、他の学生達の手前、節度ある行動をお願いしますね。大学に残っていただくための条件です」
お小言の一つ、二つ、いや、それ以上のことを覚悟していたので、拍子抜けしたり、ほっとしたり、安心したりしました。
学長先生は、銀菓神使モンテの称号の所有者です。さすがだと思いました。
そして、……私達は、銀菓神使という身分に守られているのだということを強く感じるとともに、この仕事を、一生を掛けて全う(まっとう)しようと思いました。

メランジェ先生が、研究室でお茶でもしていかないかと誘ってくださいました。

「サラさん。休み明けに仮称号の試験を受けてみませんか?」
メランジェ先生の、そんな言葉に迷っていたら、
「もう教えていらっしゃるんでしょう?」
と、今度はルセット先生にたずねられました。
ルセット先生は、メランジェ先生と私の方を交互に見ながら、うなずかれました。
「仮称号を取れば、称号所有者の指導の下(もと)、銀菓神使と同じ権限で動けるようになりますよ」
メランジェ先生が、ルセット先生と私の方を交互に見ながらおっしゃいました。

ルセット先生が「受けろ」と言ってくださるのを、心のどこかで待っていました。
でも、ルセット先生からは、何かを言ってくださる様子はありませんでした。
だから私は……、
「受けます。できるだけ早く、銀菓神使と同じ権限が欲しいです。試験対策の指導、お願いします」
メランジェ先生とルセット先生の方を交互に見ながら頭を下げました。
自分の意志で。

メランジェ先生とルセット先生は、優しく微笑みながら、うなずいてくださいました。
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