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サラの日記133(全ては、周りの人達が判断すること。 今どんなに考えても、その時になってみなければ分からない。)

銀菓神暦2015年8月17日

昨夜、隣りで眠っているルセット先生が、突然大声で叫ばれました。
「オレリアーっ!」と。
汗をたくさんかいて、苦しそうでした。
心配になって揺すり起こすと、目を覚まされたルセット先生は、ぼんやりされていました。

「ミシェル、大丈夫?」
「……僕、……何か言ってた?」
「『オレリア』って、苦しそうに叫んでた」
それを聞いて、納得したような表情をされたルセット先生は、シャワーを浴びに行かれました。

シャワーから戻られたルセット先生は、しばらく私を見詰めたあと、私をそっと抱き締められました。
「『オレリア』は、サラの昔の名前。1000年前の……。1000年も経ってるのに、サラとも、ちゃんと出会えたのに、時々、君が殺られた(やられた)時のことが夢に出て来る。びっくりさせてごめん」

朝、ルセット先生は、何でもない様子で大学の仕事に出掛けて行かれました。
これまでも、ずっとそうだったの?
ずっと、誰にも、そんな様子は見せずに、独りで……。

ルセット先生が留守の間、屋上の鳥居の前で過ごしていました。
昨日教えてもらった通りに鳥居に手をかざして、映し出されたミカン畑を眺めながら、『延し棒横笛』の練習をしていました。
ルセット先生のように滑らかな音は出ないけれど、取り敢えずの音は出るようになりました。
まだ、腕の力がうまく抜けなくて、長くは構えていられません。すぐに腕がだるくなって、肩が凝ります。

鳥居に映し出されていた景色が消えて、誰かがこちらに向かってやって来るのが見えました。
「ただいま、サラ。ここで笛の練習をするって言ってたから、こっちから帰って来た」
鳥居から出て来たのはルセット先生でした。
「お帰りなさい! ミシェル!」
嬉しくなって、ルセット先生に駆け寄って、胸に飛び込んだら、ルセット先生は、しっかり抱き留めてくださいました。
「奥さんに『お帰りなさい』って迎えてもらえるのって、なかなかいいね」
「まだ奥さんじゃないから……」
「僕には、もう奥さんだよ。サラには、安心して全部を見せられる」
「ありがとう、ミシェル」

明日は婚約内定が発表される日です。
もう、隠さなくてよくなる。
もう、隠せなくなる。
ルセット先生は、いままで通りに大学の仕事ができる?
私は、いままで通りに研究生でいられる?
全ては、周りの人達が判断すること。
今どんなに考えても、その時になってみなければ分からない。
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