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サラの日記132(どの景色にも、人の気配は皆無(かいむ)で、すぐにプラクミーヌの人の手が入るような様子もなくて、寂しい感じがしました。)

銀菓神暦2015年8月16日

ルセット先生に、花綵アグルム城の屋上の、鳥居のところに連れて行かれました。
七夕の日に、ルセット先生と一緒に来た場所です。
ルセット先生が鳥居に手をかざすと、鳥居の下が鏡のようになって、ミカン畑が映し出されました。
かざした手をスライドさせると、映し出される景色も、それに合わせて動きました。

「僕の領地だったところ……。青い実がたくさん付いてた……。もう、手を入れてやることはできないけど、ちゃんと育ってるか気になって、……時々見に来てる。それから、」
ルセット先生は、さっきとは違う方向に手をスライドされました。
「移動を余儀なくさせてしまった人たちの家。……戻ってもらえるように、何とかしたいけど、今の僕に、そんな力は無い。……それと、」
ルセット先生は、また違う方向に手をスライドされました。
「もう一度ここで、みんなと……」
鳥居の下に映し出されているのは、ルセット先生が一人暮らしをされていた家でした。

どの景色にも、人の気配は皆無(かいむ)で、すぐにプラクミーヌの人の手が入るような様子もなくて、寂しい感じがしました。

「私、飛べるかな」
「……飛ぶ?」
ルセット先生は、私が何のことを言っているのか分かっていらっしゃらないようでした。
「意識体で飛んで、手入れ、できないかな……。実がだめになっちゃうのを見たくないし、家だって荒れちゃうよね……」
「だめだよ、サラ。プラクミーヌに勘付かれたら危険だ」
「うん……」
本当は、ルセット先生の許可が無くても飛びたい気分でしたが、ルセット先生が私を守ろうとしてくださっている気持ちを考えると、今の状態では飛べないと思いました。

「ねぇ、私にも、この見方、教えて」
「いいよ。でも、……一人で飛ぼうなんて思わないでね」
「うん。一人では飛ばない」
「じゃあ、手を貸して」
ルセット先生は、私の手を取って、鳥居にかざす感覚を教えてくださいました。

ルセット先生が、ぽつりと口にされました。
「家は無理かもしれないけど、果樹園だけなら、銀菓神使の権限で管理させてもらえるかもしれない……」
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