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サラの日記126(『院を修了せずに称号を取る方法』)

銀菓神暦2015年8月10日

胸の、アグルムの聖石が力を貸してくれています。
もう、隠さなくても大丈夫だと。

朝、ルセット先生が、自らの運転で迎えに来てくださいました。
レポート提出と、メランジェ先生に報告するために、大学へ行きました。

「婚約しました。まだ、内々定ですが……」
ルセット先生が切り出されました。
どんな反応をされるのか心配でしたが、メランジェ先生は、いつものイメージの通り、落ち着いた雰囲気のまま聞いてくださいました。
「そんな予感はしていたんですよ。でも、こんなに早いとは思っていませんでしたがね……」
「いや、ここからが長くなる予定です。……国の色々があって」

メランジェ先生とルセット先生が、恩師と教え子の関係で深い話をされているのを、新鮮な気持ちで聞いていました。

メランジェ先生は、大学への報告は内定になった時点での方がいいのではないかと提案してくださいましたが、ルセット先生は後期が始まる時期を希望されました。
「学則に触れたり、他の学生に影響があるなら、サラが受ける科目から担当を外してください。できるだけ早く公(おおやけ)にして、国を動かしたいんです」
ルセット先生が、誰かに真剣に訴える姿を、初めて見ました。

ルセット先生の話を一通り聞かれたメランジェ先生は、最後に言われました。
「何かあった時に傷が深いのはサラさんですからね。サラさんがここの学生である限り、私たちにはサラさんを保護する義務があるのですよ。……でも、良かったですね。おめでとう」
ルセット先生は静かにうなずかれました。

メランジェ先生とのお話が終わったあと、二人で植物館に行きました。
「院を修了せずに称号を取る方法ってあるの?」
それとなく、軽い感じで聞いてみたつもりだったけど、ルセット先生の身体が、一瞬、びくっ としていました。
「だめだよ。ご両親に心配掛けるようなことを考えちゃだめだ」
ルセット先生はアサガオの葉っぱを見詰めたまま返されました。
それって、つまり、ある……ってことなんだな……と思いました。

ルセット先生は、帰りも一緒に……と言ってくださっていたので、
ルセット先生がお仕事をされている間に、もう一度一人でメランジェ先生を訪ねました。
目的は、『院を修了せずに称号を取る方法』です。

メランジェ先生は教えてくださいました。
「直接、銀菓神局の試験を受ける方法があるのですがね、院に籍を置いたままでは受けられないんですよ。院からの受験なら合格率は、ほぼ100%。でも、直接の場合は1%未満と言われているんです。ルセット先生は、サラさんには、そんなこと、絶対にさせないと思いますよ」

帰りに、ルセット先生がぽつりと言われました。
「あんな話になる予定じゃなかったんだけどな……」
「私、よく分からないから、ミシェルに任せることにする。ミシェルのやり方に付いて行くから、ちゃんと連れってってね」
ルセット先生は、静かに唇を重ねてこられました。
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