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サラの日記118(ひまわりの花言葉を知ってる?)

銀菓神暦2015年8月2日

ルセット先生は、いつもの車で迎えに来てくださいました。
運転してくださったのはウィルさんでした。
ウィルさんは、ルセット先生よりも3つ年上で、なんと、新婚さんなのだそうです。
奥様も花綵アグルム城で仕事をされていて、ジャックさん専属の侍女なのだそうです。
で、ルセット先生は、ウィルさんをお兄さんのように慕っていて、普段から私のことも色々話しているみたいでした。

「着きましたよ」
ウィルさんが車を停めたのは、背丈ほどの ひまわりがたくさん咲いている、ひまわり畑でした。
ルセット先生と手を繋いで、ひまわり畑の中に潜り込みました。

<サラは、ひまわりの花言葉を知ってる?>
手を繋いだルセット先生から伝わってきました。
<ううん。何?>
<「私はあなただけを見つめる」。それから、「愛慕(あいぼ)」>
ルセット先生から、そんな言葉が伝わってくるのと同時に、ルセット先生は、繋いでいた手を放して、私と向かい合わせに立たれました。

「私の名は、Michel Augustin d'Agrume-Feston(ミシェル・オーギュスタン・ダグルム=フェストン)。宮舞枝 沙羅(みやまえ さら)、貴女(あなた)を永遠に愛することを、このアグルムの聖石(ひじりいし)に誓います。私と結婚してください」
ルセット先生は、ケースから、『アグルムの聖石』らしきものが付いたペンダントを取り出すと、私に着けてくださいました。
「はい。よろしくお願いします……」
と言ってはみたものの、頭の中は大混乱でした。
「突然ごめんね。大丈夫?」
ルセット先生は、柔らかな視線で、私の目を覗き込まれました。
「あの……。これって……。えーっと……」
混乱中の私に、ルセット先生は、穏やかな声で話してくださいました。
「プロポーズ……だよ。この間、僕の両親にも話して、サラのご両親にも挨拶に伺いたいって言ったけど、まず、サラにちゃんと伝えて、返事をもらわないと始まらないから。あと、指輪じゃなくてごめんね。僕たちの仕事、指輪は難しいから」
頭の中がだんだん片付いてきました。
「あり……がとう。……本当に?」
「冗談でこんなことできないよ。本当に。サラ、愛してる。僕と結婚してください」
「はい……」
そのままルセット先生の淡いブラウンの瞳を見つめていたら、ルセット先生に抱き締められました。

しばらくするとルセット先生の腕が緩みました。
「サラ。キスしていい?」
こっくり うなずいたら、ルセット先生の唇が、私の唇に、そっと重なりました。
急に涙が溢れてきました。
「嫌だった?」
ルセット先生が心配そうに私を覗き込まれました。
「ううん。温かくて……。ミシェルの唇が温かくて……」
ルセット先生は、もう一度、優しくキスしてくださいました。

ひまわり畑から出て来た私たちを見て、私の胸のペンダントを見て、ウィルさんが言ってくださいました。
「ミシェル殿下、サラさん。ご婚約内々定おめでとうございます」

ウィルさんは、ルセット先生の家で、お祝いの食事を用意してくださっていました。
ルセット先生と、ウィルさんと、私の3人だけの。

そう言えば、ウィルさんが笑われていらっしゃいました。
「サラさんは、殿下のことを『ミシェル』とお呼びになるのに、私のことは『ウィルさん』と呼んでくださるのですね?」

殿下? 殿下は違和感が……。
だって、ルセット先生はミシェルで、ミシェルはルセット先生だけど、殿下は ちょっと……。

夜、ルセット先生の意識体が飛んで来ました。
<サラ、こうしてて いい?>
ルセット先生の意識体が私の手を握りました。
<うん。こうしていて欲しい>
今夜はルセット先生と手を繋いで眠ります。

明日、両親に話します。
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