サラの日記108(朝まで一緒に居て、)

銀菓神使2015年7月23日

意識の中だけでの話だけど、
ルセット先生は、一晩中抱き締めてくださっていました。
朝まで一緒に居て、<おはよう>って言って、2時間も経たないうちに講義室でまた会うのは、ちょっと照れくさかったりしていました。
あとは……、ちょっと身体がだるい。
ずっとルセット先生を感じていたくて、あんまり眠れていませんでした。
それと、長時間意識を飛ばすのは、やっぱり負担が掛かるみたいです。
こういう時は、中庭のベンチで、うとうとするのが気持ちいい。

「隣り、いい?」って、ジャックさんがやって来ました。
「んー、眠いからだめー」
だめだと言ってるのに話を続けるジャックさん。
「遅くまで勉強してるの?」
仕方ないので答える私。
「勉強……じゃなくて実験かな? うん、実験してたの」
だめだと言ってるのに、「ふーん……。でも、なんか、幸せそうだね」って言いながら、隣りに座り込んだジャックさん。
「うん。幸せな実験だったの。ジャックさんは勉強進んでる?」
「うん、まあね。……ね、幸せな実験って何?」
「ないしょー」
「なるほどねー。兄貴がらみ?」
ジャックさんが気付いてくれたのが嬉しくて、つい、元気よく「うん!」と。
「そっかぁ……。ねぇ、サラちゃん」
「ん?」
「兄貴がどこまでサラちゃんに話してるのか知らないけどさ。……サラちゃんが姉さんになるんだったら、俺は大歓迎だから。周りが なんだかんだ言ってもさ、俺はサラちゃんを歓迎するから。兄貴んこと、よろしくね」
「えっ? うん。……ありがとう」
「それからさ、」
「うん」
「サラちゃんの、ゆっくり、ひと言ひと言大事にしゃべる しゃべり方、好きだよ。上辺(うわべ)だけじゃなくて、ちゃんと考えてしゃべってくれてるんだなって感じがする。兄貴にもぴったりだと思う」
「……ありがとう。……ちょっと涙出てきちゃう」
「あ、ごめん」
「ううん。嬉しい方の涙だから」

結局、全然休めないお昼休みだったけど、ジャックさんが私のしゃべり方を好きだと言ってくれたこと、とっても嬉しかった。

放課後、ルセット先生が、「やっぱり、こっちの方がいいな」って言いながら、ぎゅって抱き締めてくださいました。
「私も……こっちの方がいい」