サラの日記98(ルセット先生は、それを聞いて、くすっと笑われました。 「いいね。同級生同士か……」)

銀菓神暦2015年7月13日

休憩時間にマヤちゃんとルシアちゃんに話し掛けられました。
「最近、まあるい感じになったね」って。
「太った?」
「ううん。中身がまあるい感じになった」
「そうかなぁ……」って言いながら、
――そうかもしれないなぁ……―― って、ルセット先生のことが頭をよぎりました。

そんなこんなしていたら、ジャックさんが教室の外から声を掛けてきました。
「サラちゃーん! こっちこっちー!」と手招きして。

マヤちゃんとルシアちゃんは「まあるい原因」がジャックさんだと勘違いしてるような雰囲気でした。
――丁度いいかな……。ジャックさんには隠れ蓑(みの)になっててもらおうかな……――

ジャックさんは窓の外を指差していました。
見ると、ルセット先生が、女性職員の方と、親しそうに何か話されていらっしゃいました。
「サラちゃん、妬く(やく)?」
「もう! やだ! そんな風に言われたら、そんな風に見えちゃう!」って、ぷんぷんしてたら、
ジャックさんは「やっぱり妬くんだ」って、にたーっと笑ってる。
「もう! ジャックさん嫌い!」
「おっ! 出たなっ。『ジャックさん嫌い!』」
「やだ! 真似しないで!」
「じゃあ、好き?」
「えっ? ……ううん! 好きは絶対違うーっ! 何でそうなるの!」
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん」
「もう! ジャックさんの意地悪ーっ!」

「はーい、廊下で大声出さなーい」と注意される声が聞こえて、はっとして声の方を向くと、いつの間にかルセット先生がいらっしゃいました。

色んな意味で しゅんとして教室に戻ったら、マヤちゃんとルシアちゃんが、「サラちゃんって、本当は面白い人?」って笑って迎えてくれました。

こういう感じの、何だか ごちゃごちゃした学校生活に憧れてた。
色んな人たちのお陰で、その中に居る。

放課後、ルセット先生に聞かれました。
「ジャックに何か言われた?」
「あのね……、同級生同士の秘密なの」
ルセット先生は、それを聞いて、くすっと笑われました。
「いいね。同級生同士か……」