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サラの日記91(私のマスクの唇に、ルセット先生のマスクの唇が触れて、小さくカチッと音が鳴りました。)

銀菓神暦2015年7月6日

午前の講義で目が合った時も、
午後の講義で目が合った時も、
ルセット先生の視線はいつもより冷たくて、鋭く感じました。
放課後の地下製菓室の扉を開けた時も。

「着装して」
ルセット先生は鋭い視線のまま、そう言われました。
先日ルセット先生が着装させてくださった時よりも時間は掛かりましたが、何とか一人で着装できました。
私が着装完了するのと同時に、ルセット先生も着装されました。

ルセット先生の手にに導かれるままに、両手の掌(てのひら)をルセット先生の掌に合わせました。
合わせた掌の隙間から、光が放射線状に溢れ、
合わせた掌を通して、
私の中の何かがルセット先生の中に吸い込まれていくのを感じ、
ルセット先生の中の何かが私の中に入ってくるのを感じました。

<意識の結合をした。手を触れなくても伝え合える。但し、読まれてはならない者に読まれるリスクは高くなる。多用はしない方がいい>
<もしかして、昨日……>
「読んでないよ。……サラが……飛び込んで来た」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていい。嫌なら意識の結合なんてしない。僕は、どんな立場のサラも……」
ルセット先生のその言葉に続くかのように、心の中に、ふんわり丸くて温かいものがやって来るのを感じました。

私のマスクの唇に、ルセット先生のマスクの唇が触れて、小さくカチッと音が鳴りました。

ルセット先生の、今まで私には隠していた心の痛みが、
幾つも、幾つも、悲しい雨のように、私の中に降り注いで来るのを感じました。
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