サラの日記482(二人ともいい顔をして帰ってきました。)

銀菓神暦2016年7月31日

ジャックさんとゾエさんの称号試験でした。
お昼過ぎ、二人ともいい顔をして帰ってきました。
このまま二人でジャックさんの荷物の整理をして、ルセット先生の元邸宅に引越しだそうです。

ジャックさんは、これからしばらくの間プラクミーヌ側の人たちに見張られた状態で暮らすのだけど、ゾエさんの、周りの人たちに対する態度を見ていたら、大丈夫そうな気がしてきました。ゾエさんが護ってくれるはずです。ジャックさんも、あんなちゃらちゃらした感じに見えていて、実は周りのことをしっかり見ている人だから、嫌われるようなことはないと思います。
あとは、プラクミーヌ側がそれを受け入れてくれるかどうか。
良い結果になることを祈ります。

私たちも、父に良い返事をもらわなければなりません。
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サラの日記481(お互いに何度も見せ合っこしました。)

銀菓神暦2016年7月30日

今日も、ジャックさんとゾエさんを迎えての練習です。
ジャックさんとゾエさんには、ルセット先生の赤の火(か)と私の白の金(ごん)がはっきり出ることが新鮮なようで、お互いに何度も見せ合っこしました。

私が称号試験を受けるのも、あと一か月を切りました。
試験に合格すれば正式な銀菓神使となり、銀菓神局にも登録されるわけですが、果たしてそんなレベルに達しているのかと不安です。
去年の先輩方は、この時期、堂々として見えていました。
私たちは、一年生にどんな風に見えているんだろう。

アロゼの休憩室48「お話を読むことで色々な人の人生を疑似体験する」

先日、小学生の子供の個人懇談で、ふとしたきっかけから、私の子供時代の場面緘黙の話になりました。
私一人の力は塵(ちり)のように小さいのかもしれないけれど、直接お話しできたことで、気持ちがとても前向きになりました。

私、ぱっとした活動もできていないし、私がやってもやらなくても誰にも影響ないような気もするし、意味の無いことやってるのかなって思うことも度々ですが、
やっぱり、一歩ずつ、いや十分の一歩ずつでも、それ以下でも、自分にできるペースで続けていこうと思えました。

「銀菓神使アロゼ」シリーズのお話の中では、直接場面緘黙に関わるような内容はなかなか描けていませんが、私が子供時代に経験した、「お話を読むことで色々な人の人生を疑似体験する」ことができるような作品作りを目指していこうと思っています。

今後とも応援どうぞよろしくお願いします(^^)/

サラの日記480(ちょっとだめな部分が見えるのって、なんか……いい。)

銀菓神暦2016年7月29日

研究生の姿がまばらになった夏の花綵(はなづな)キャンパス。

ジャックさんとゾエさんが、いよいよ明後日に迫った称号試験の最終調整のために、ルセット先生を訪ねて来ました。
私も、ジャックさんの青の木(もく)とゾエさんの黄の土(ど)の鳥居の見学をさせてもらいました。

私が出す青や黄は、色も薄くて輝きも弱いのですが、ジャックさんの青とゾエさんの黄は、濃く強く輝いています。
ルセット先生が苦手なのは青だけじゃなく、黄もです。多分。だって、力強さが全然違うんだもん。

一年前は何もかもが完璧に思えていたルセット先生の、ちょっとだめな部分が見えるのって、なんか……いい。

サラの日記479(偶然だけど、うまくできてるよ。僕たち)

銀菓神暦2016年7月28日

期末試験の終わった二年生は、ほぼ夏休みです。
今日は、月支局に旅行のタツキちゃんを見送ってきました。
二、三日の予定だそうです。

ルセット先生がタツキちゃんに言われます。
「グラセも黒の水(すい)だよ、得意なの」
タツキちゃんはにっこりすると着装しました。

私も着装して、タツキちゃんと一緒に鳥居をくぐります。
タツキちゃんがちゃんとグラセさんに会えたのを見届けて帰ってきました。

帰ってきた私に、ルセット先生がぽつりと言われました。
「ジャックは青の木(もく)、ゾエは黄の土(ど)」
「じゃあ、みんなで組めば全色そろうわね」
「そうだね。偶然だけど、うまくできてるよ。僕たち」

サラの日記478(白黒コンビ)

銀菓神暦2016年7月27日

タツキちゃんは黒の水(すい)の鳥居を使うのがとっても上手です。
私が得意なのは白の金(ごん)だから、ルセット先生は、「二人が組んだら白黒コンビだね」なんて笑っていらっしゃいます。
「えーっ。女子なのに、もうちょっと華やかさが欲しいな……」
私がそう言うと、ルセット先生は赤の火(か)の鳥居を出されました。
「じゃ、僕も仲間に入ろうかなぁ。華やかになるだろ?」
タツキちゃんが楽しそうに声を立てて笑います。

ルセット先生が、いつもとは、いえ、これまでとは少し違って見えました。
この、何にでも馴染んでいくことができそうな柔軟さを、いつの間に身に付けたんだろう……。

あ、私とタツキちゃんだけではなく、実はルセット先生も苦手だった青の木(もく)。
三人で、あーでもない、こーでもないと、あれこれ考えを出し合いながら練習しました。
「上手(じょうず)下手(へた)や得意不得意は、才能じゃなくて慣れだよ、慣れ」
ルセット先生が、自分も苦手だということを置いておいて、笑いをこらえながら教えてくださいました。

サラの日記477(幸せと淋しさが入り交じったこの感じは、光と闇がそうである時の感じによく似てる。)

銀菓神暦2016年7月26日

タツキちゃんっていいな……なんて思いながら、タツキちゃんがグラセさんと交信しているのを眺めていました。
私はルセット先生とこんなに近くに居るのに、近くに居ることに慣れてしまって、なんだか物足りない。
闇の力にも順応できてきて、全てが当たり前のことになっていく。
ルセット先生はどんな感じなんだろう……。
私がパートナーでいること、慣れてしまった?
幸せと淋しさが入り交じったこの感じは、光と闇がそうである時の感じによく似てる。

<サラ? ツグミさん、期末試験があと三日ほどあるらしいから、放課後少し時間があるんだ。称号試験の練習、どう?>
<うん。タツキちゃんと一緒でもいい?>
<もちろん。五行の鳥居は全部完璧?>
<私は青と黄が難しい。タツキちゃんも青が苦手って言ってた>
<青か……。ジャックが得意そうなやつだな>
<だめよ! それ、タツキちゃんの前で言っちゃだめよ!?>
<うん。分かってる>

サラの日記476(寂しいと思う暇が無さそうなくらいに。)

銀菓神暦2016年7月25日

放課後、ジャックさんが天戸キャンパスに通うようになりました。
来週に迫った称号試験の準備に、ゾエさんと一緒に取り組むためです。

私も、タツキちゃんと一緒に称号試験の準備に取り掛かり始めました。

タツキちゃんにはグラセさんから頻繁に連絡が入るようになりました。
寂しいと思う暇が無さそうなくらいに。
きっとタツキちゃんは大丈夫です。
グラセさんは女の子の扱いには疎そう(うとそう)だけど、とっても真面目な人だから。

あ、ケンジさんからも連絡が入りました。
タツキちゃんを月支局の配属にと言う話、タツキちゃんが称号を取るまでは正式には進められないけれど、内々(うちうち)ではその方向で進めてもらえそうな話になっているみたいです。

サラの日記475(母は最初、私たちの話を呑み込めないようでした。)

銀菓神暦2016年7月24日

研究室はお休み。
実家に、ルセット先生の……、ミシェル殿下の拠点を移したい旨を話しに行きました。

「そんなことできるの? ここよ? ここ。こんな小さな店を?」
母は最初、私たちの話を呑み込めないようでした。
父は腕を組んで、黙って私たちの様子を見ています。

「お父様、お母様。お願いします。できる限り目立たないように暮らしますし、ここを拠点にさせていただければ、店のことはこれまで以上にお手伝いできます」
ルセット先生は父と母に向かって頭を下げました。

父がゆっくりと口を開きます。
「少し考えさせてくれ。ここは私の城なんだ。母さんと二人で築き上げてきた。……殿下のお申し出でも、すぐに『はい』とは言えません」
「お父さん。何も私たち、ここを乗っ取ろうなんていうのじゃないのよ。置いてもらえたらと……」
私は、なんとか分かってもらおうと言葉を探しました。
「お前が殿下に嫁げば、……いずれは、そういうことだろう」
父は静かに白衣を脱いで、外に出て行きました。

サラの日記474(教科書丸覚え状態で頑張りました。)

銀菓神暦2016年7月23日

「銀菓神祭式行事作法」の試験でした。
理解しようだなんて私にはとても無理だから、教科書丸覚え状態で頑張りました。
ほとんど記憶力テストです。
私、得意なことと不得意なことの差が、どうしてこんなに激しいんだろう。
なんでもそれなりにこなせる、マヤちゃんやルシアちゃんがうらやましいです。
こんなので本当にルセット先生のパートナーでいていいのかと不安になってしまいます。

ぼーっと中庭を歩いていたら、ツグミさんが走って来ました。
「サラさん! これ見てください!」
「え?」

ツグミさんが銀菓神使スーツを着装しました。
向かって右側(ツグミさんの左側)がダークグレー、左側(ツグミさんの右側)が白の銀菓神使スーツです。

「どうですか? かわいいですか?」
ツグミさんがポーズをきめながら私にたずねます。
「ん、かわいい……とはちょっと違うかな」
「えーっ。かわいくないんですかぁ?」
「かわいいって言うよりも……。理知的で、きちんと整った感じ……かな?」
「そうですかぁ……」
ツグミさんは少しがっかりした様子で着装を解除しました。

「大丈夫よ。使える技が増えたり変わったりすれば、スーツのデザインも変わるんだから」
「えっ! そうなんですか? かわいくなれるように頑張ろう!」
ツグミさんはきらきらしています。

サラの日記473(「高等銀菓神装」の期末試験です。)

銀菓神暦2016年7月22日

「高等銀菓神装」の期末試験です。
規程着装と自由着装の実技試験でした。
これは一般的な研究生生活を送っていればみんな合格できるんじゃないかな。
規程着装ができないと製菓室での作業はできないし、私の場合、特殊着装ができないと、着装状態で笛は吹けない。

問題は、明日の「銀菓神祭式行事作法」かな……。
筆記試験だけど、実際にできるだけの知識が無いと難しいんじゃないかな……って心配しています。
――私、こういう型にはまったこと、苦手だなぁ――

図書館で「銀菓神祭式行事作法」の教科書を開きました。
教科書は難しいし、昨日までの色んなことが頭を駆け巡って行くのも手伝って、眠くて眠くて仕方ありません。

<ちゃんとやってる?>
ルセット先生からの定時交信です。
こんなこともあろうかと、「十五時になったら交信して」とお願いしておきました。
<うーん……。ありがとう。眠かったぁ……>
<お茶にする? 研究室においで>
<はーい>

サラの日記472(夏季研修だとかなんとか適当な理由を付けて)

銀菓神暦2016年7月21日

ジャックさんから報告がありました。
夏休み中、ルセット先生の元邸宅でゾエさんと生活してみるという件。
ゾエさん本人からは良い返事がもらえたみたいですが……、国王や王妃には極秘で進めるらしいです。銀菓神使の夏季研修だとかなんとか適当な理由を付けて。
条件も出されたようです。侍従は全てプラクミーヌ側で用意すると。

「丸腰で来いってことか……」
ルセット先生はつぶやかれました。
「ジャックさん、大丈夫なの? 侍従がみんなプラクミーヌなのに、国王や王妃に極秘って可能なの?」
「仕方ないよ。いいんだ。ゾエちゃん本人はこの話にのってくれてるんだから。今はそれで十分だよ。ゾエちゃんは銀菓神使職でのパートナーなんだ。今までだって何度も俺たちを助けてくれた。ゾエちゃんを信じるよ。そのうち周りも……」
「中立のための第一歩なんだ。のみ込まれるなよ」
ルセット先生がちらりとジャックさんの方に目をやります。
「わかってるよ」
ジャックさんはルセット先生に向かってウインクしました。

サラの日記471(「いずれはそうなるだろうが、まだ内々の話なんだ。他言無用で」)

銀菓神暦2016年7月20日

ケンジさんにいただいたペンダントの鳥居を通して、ケンジさんにメッセージを送りました。
勤務時間終了後、城に来てくださいました。
「お久しぶりですね、サラさん。ルセット先生も」
ケンジさんは、以前天戸キャンパスでお会いした時よりよりも寛いだ笑顔を見せてくださいました。

「で、早速なんだが……」
ルセット先生が切り出します。
「人事のことですよねー……。僕は警備の所属なので、人事に掛け合うのは難しくて……」
「どなたか人事にお知り合いは?」
私はケンジさんを覗き込みました。
「ん……。残念ながら人事には……。あ、でも、月の支局長とは面識があります」
ケンジさんの表情が明るくなりました。
私とルセット先生も顔を見合わせて、うなずき合いました。
ルセット先生は視線をケンジさんに移して、こう言われました。
「来春修了のタツキさんなんだ。月支局所属のグラセとパートナーの。二人を月の配属に」
「タツキさん……。あれっ? タツキさんは確かジャック殿下の……」
「訳があるんだ。本人たちとは話をしている」
ルセット先生は王太子の顔つきになりました。
「いいんですか? 女性を月支局なんかに飛ばして」
ケンジさんはルセット先生に、確認するような視線を送られました。
「女性だからここには居ない方がいいの。察して、ケンジさん」
私の言葉に、ケンジさんは「はっ」とした顔をされました。
「ゾエ……」
「大丈夫だ。ゾエはプラクミーヌにも 花綵(はなづな)アグルムにも護られている」
「ゾエは、ジャック殿下との結婚を承諾したのですか?」
ケンジさんの質問に、ルセット先生は首を横に振られました。
「いずれはそうなるだろうが、まだ内々の話なんだ。他言無用で」

アロゼの休憩室47「『銀菓神伝説』の制作を始めました。」

今年も夏休みの季節がやってまいりました。
子どもたちは楽しみにしているようですが、ママさんパパさんたちは忙しさ倍増ですかね。

Facebookの方には少し書いたのですが、
楽しいこと工房の絵本第二弾、『銀菓神伝説』の制作を始めました。
https://www.facebook.com/tanoshiikotokoubou/posts/1781871278712594
12月に「Peanuts Orchestra」シリーズ2と同時刊行の予定です。
良かったら応援よろしくお願いしま~す(^^)/

サラの日記470(<……そうだね。浅い傷なら、グラセにも手当てできるだろう……>)

銀菓神暦2016年7月19日

ジャックさんがタツキちゃんを城に呼びました。
ルセット先生と私も、ジャックさんの部屋に呼ばれました。
タツキちゃんは いつになく緊張しているようで、表情が無くなっています。

ジャックさんがタツキちゃんの方を向いて話し始めました。
「俺は、花綵(はなづな)アグルムの王位継承順位第二位に位置する者として、プラクミーヌのゾエ王女と手を組む。つまり、いずれ彼女と家庭を持つ。周りの目もあるから、決めなくちゃならない。王族に仕える者として一緒に来るか、銀菓神使職に就くときだけの仲間でいるか」
タツキちゃんは固まったままジャックさんを見つめています。ジャックさんは続けました。
「いつまでも研究生じゃいられない」
タツキちゃんは固まったまま小さくうなずきました。それから、小さな声で言いました。
「これからのジャックさんに、私は……邪魔?」
ジャックさんはタツキちゃんに優しく微笑みかけます。
「邪魔じゃないよ。大事だから たずねてる。お互いに納得した上で進めたいから たずねてる」
「……私一人なら一緒に行きたい。でも、グラセさんは嫌がるかもしれない。……同級生の、弟の、その下に……」
タツキちゃんは、ハーブティーの入ったカップの中にグラセさんを映し出しました。
「グラセも呼ぼう」
ルセット先生はそう言われると、その場に手刀で鳥居を描き、着装して鳥居の中に入って行かれました。

沈黙のまま三十分ほど過ぎました。
空中に赤い光の鳥居が現れ、ルセット先生とグラセさんが出てこられました。

「僕は構わないよ、タツキちゃん。むしろ、ジャックがそばに居てくれた方が安心だ。月に行ったきりのことがほとんどだからね。こいつの弟なら間違いないだろうし」
グラセさんはルセット先生の肩に手をやりながら、タツキちゃんに微笑まれました。

「でも!」
「ん? どうした? サラ」
ルセット先生は私の方に振り向かれました。
「私は、一緒には行かない方がいいと思うわ。今は良くても、きっと苦しくなる。全てを目の前で……。ね、グラセさん! タツキちゃんを月の配属にはできないんですか?」
考え込んでいるグラセさんに代わって、ジャックさんが言葉を発します。その目は私の方に向けられています。
「あいつに頼めないかな……。ケンジ。あいつ、銀菓神局に居るんだろ?」
「あっ! ……そうね。話してみる」
私はタツキちゃんに視線で同意を求めました。
タツキちゃんは硬い表情のまま、ゆっくり首を縦に振りました。

タツキちゃんは、少しの間、寂しい思いをするのかもしれない。
でも、今、少しの寂しさで済むのなら、その方がいいと思う。
私は、二つ前の時代に……。

ルセット先生が手を繋いでこられました。
<……そうだね。浅い傷なら、グラセにも手当てできるだろう……>

サラの日記469(ウィルさんが王に口添えしてくださったようです。)

銀菓神暦2016年7月18日

ウィルさんが王に口添えしてくださったようです。
ルセット先生は帰宅後すぐに、王の部屋に向かわれました。

一時間ほどして戻って来られたルセット先生は、決意の塊のような顔をしていらっしゃいました。
「サラ。ここを出るよ。王位は継ぐ条件だ。憐れみを掛けられているようですっきりしなんだけど、王が、僕らを護ろうとしてそう言うんだということも分かる」
「じゃあ、ジャックさんとゾエさんの立場ってどうなるの?」
「大丈夫だよ。ちょっと回り道にはなるけど、僕が王位を継げば、ジャックとゾエのことは僕が護ってやれる」
「……そうね。両親に話すわ」
「頼む」

それから、ルセット先生と二人で、たくさんのことを話し合いました。
一番大仕事になりそうなのは、菓子工房ミヤマエの増改築。
ウィルさん一家にも一緒に移っていただくためです。

サラの日記468(ジャックさんが いらいらし始めたのが、私にもうつります。)

銀菓神暦2016年7月17日

研究室はお休み。
朝からジャックさんが私たちの部屋に押しかけています。

「なあ兄貴。王位は兄貴に継いでもらうかんな。俺、プラクミーヌとは なんとかやってく自信はあっても、王位を継ぐ自信はないよ」
「だめだ。王位はジャックが継ぐんだ。ゾエと一緒に。新しい時代を築き上げるんだ。もちろん僕らもサポートはする」
「ん。ねえ、サラちゃん。この頑固な兄貴、なんとかしてくれよ」
ジャックさんは私に助けを求め始めました。
「私……、私もミシェルと同じなの。ジャックさんとゾエさんで新しい時代を作ってって欲しい。……私とミシェルは、国民の方々からしてみれば裏切り者だもの。王位なんか継げっこない」
「ん、もう! サラちゃん、兄貴に影響されてるだけだよ!」
ジャックさんが いらいらし始めたのが、私にもうつります。
「そうよ! 影響されるわよ! ミシェルは私のパートナーだもの! 私たちの考えに合わないんなら、さっさと王位を継いで、ジャックさんの思う通りに治めればいいのよ!」

部屋が静まり返りました。

「とにかく、俺は王位を継ぐつもりはない。継ぐのは兄貴だ」
ジャックさんは静かにそう言って、部屋を出ていきました。

一部始終を見ていたウィルさんが、そっと口を開かれました。
「ミシェル殿下。……拠点を殿下の希望通りに移された上で王位を継がれて、プラクミーヌとの国交という部分をジャック殿下に任せられる、というのもありかもしれませんよ」
「では、城はどうする? ここに働く者たちは?」
「そんなことは あとで どうとでもなります」

サラの日記467(ややこしくなった時は、最初に返るのが一番よ)

銀菓神暦2016年7月16日

ルセット先生、ジャックさん、それにウィルさんと私の四人で、国王夫妻の部屋を訪ねました。

まず、夏休みの間、ジャックさんとゾエさんが、現在プラクミーヌの領地になっているルセット先生の元邸宅で暮らしてみるという話は、当然のことながら却下されました。そもそも、そんな話、プラクミーヌの王が許すはずがないと。
でも、なんとなく感じ取れています。ジャックさんは、それでもやるつもりだと。

それから、私たちのこと。
王はおっしゃいました。
「王位は継がないということか?」
ジャックさんが割り込みます。
「継ぐよ! 王位は兄貴が継ぐ!」
王は、ジャックさんの方をちらりと見られましたが、直ぐにその視線をルセット先生の方へと戻されました。
「もう一度、ミシェルにたずねる。王位は継がないのだな?」
「はい。ジャックとゾエ王女に、一任したいと考えています」
ルセット先生の言葉を聞いた王は、今度は私に質問されました。
「サラさんは?」
「私も、ジャック殿下とゾエ王女に一任したいと考えています」
「んー……」
王は顎(あご)に手をやって、しばらく考え込んでいらっしゃいました。
王妃がウィルさんに何かおっしゃっています。
しばらくすると、部屋を出て行かれたウィルさんが、お茶の用意の整ったワゴン押して戻って来られました。
王妃は、ルセット先生によく似た穏やかな笑みを浮かべながら、「さ、少しお茶にしましょう。ややこしくなった時は、最初に返るのが一番よ」と、お茶を勧めてくださいました。

サラの日記466(そんな私たちの会話を、タツキちゃんは作業をしながら背中で聞いていました。)

銀菓神暦2016年7月15日

いつもと変わらないメランジェ研究室。

「サラちゃんさぁ、称号試験、いつ受ける?」
ジャックさんが摘み取ってきたばかりのハーブを洗いながら聞いてきました。
「んー、まだ決めてない」
「そっかぁ……」
「ジャックさんは? いつ受けるの?」
「さっき申し込んできた。今月の最終の分。ゾエちゃんも」

そんな私たちの会話を、タツキちゃんは作業をしながら背中で聞いていました。
タツキちゃんの背中は「なんでもないもん!」を一生懸命アピールしています。
ジャックさんは女心が分かっていないというかなんというか、配慮が足りません。

「ねえ、タツキちゃん。申し込みまだだったら、来月、一緒に受けない?」
私の声に、タツキちゃんはにっこりと振り返ってくれました。
「うん!」

サラの日記465(ルセット先生は、部屋で用事をしていたウィルさんにも目線を送りました。)

銀菓神暦2016年7月14日

夕食後、城のルセット先生の部屋に、ジャックさんが訪ねてきました。
「俺さあ、夏休みの間、あっちに行ってみていいかなぁ……」
「あっち?」
ルセット先生は、ドアの前で立ったまま話し始めたジャックさんをソファへと促します。
「元の兄貴ん家」
私も、ジャックさんの向かい側に、ルセット先生と並んで座りました。
「もしかして、ゾエさんと暮らすの?」
「ん、まあ、もちろん公にはできないんだけど、もしも俺とゾエちゃんが公私ともにパートナーになることがあったら、ホントにうまくやっていけるのかどうか、確かめておきたいんだ」
「王には話したのか?」
「いや、まだ」
「ちょうどいい。ジャックのことと併せて、僕も相談したいことがある」
ルセット先生は私に目線を送ってこられながら、そう言われ、さらに続けられました。
「サラと一緒にここを出ようと思っている」
ジャックさんの目が真ん丸くなって、動きがぴたりと止まりました。それから、せきを切ったようにしゃべり始めました。
「出る? どこへ? 王位は? 継ぐんだろ? サラちゃんのために。サラちゃんがいるのに、また自分の勝手で出ていくのかよ!」
私は慌てて間に入ります。
「違うのジャックさん! 私が頼んだの! 実家の、菓子工房ミヤマエを拠点にしたいって、私が頼んだの!」
「……えっ……、そ、そうなの? ……サラちゃん、ここは窮屈?」
ジャックさんが上目づかいに私を見ています。
「ううん。とっても気に入ってる。みんな優しいし。でも、私たちの立場じゃ、やっぱり堂々とは居られない」
「……だから、一度、ジャックのことと併せて、王に相談したいと思っている」
ルセット先生は、部屋で用事をしていたウィルさんにも目線を送りました。
ウィルさんはこっくりとうなずかれました。

サラの日記464(ちょっと厄介な「闇あたり」)

銀菓神暦2016年7月13日

身体がだるいのは、ちょっと無理して闇の力を使ったからだと思っていました。
時間が経てば回復すると思っていました。
でも、ちょっと厄介な「闇あたり」のようです。
ぼんやりとだるい状態が続いています。
銀菓宝果の飲み物を飲んでも、一時的にはすっきりするのですが、また直ぐにだるい状態に戻ります。
ルセット先生に施した(ほどこした)ように、メランジェ先生とエマルション先生の力で中和すればうまく治まるのかもしれません。
試しに自分でやってみましたが、自分で自分に施術してもうまくいきません。
銀菓神使の力は自分のためには使えないというのは基本中の基本です。
それに、メランジェ先生とエマルション先生の力の欠片は、私の中にはもうほとんど残っていません。

ルセット先生しかいない時間を見計らって、地下製菓室に行きました。
「あれ? どうしたの?」
「西瀬忍を吹きたくなったの。でも、屋上、雨だし。……ここ、いい?」
「いいよ」

光の西瀬忍を吹きます。
光の波動に包まれている間は楽です。

ルセット先生の手が、光の西瀬忍をつかみます。
「僕に吹かせて。今の僕になら、これも使える」

ルセット先生が吹く光の西瀬忍の波動に包まれて、どんどん身体が楽になっていきます。

「これ、頑張って取り込んじゃえば私のものになる?」
「『これ』って……、闇のこと?」
ルセット先生は光の西瀬忍を唇からはずして、私の瞳を覗き込まれます。
「うん。この闇あたり、車酔いのようなものでしょ? 慣れて、取り込んじゃえば私のものになる?」
「できなくはないかもね。でも、無理はするな」
ルセット先生は再び光の西瀬忍を吹き始められました。

サラの日記463(あの木べらを通して身に付けたものは、もう、私そのものになっているはずだから)

銀菓神暦2016年7月12日

捜し物をしていました。
子供の頃、初めて買ってもらったお菓子用の木べら。
去年ルセット先生からいただいたものと併せて大切にしていたのに、どこかにしまい込んで、どこにしまったのかを忘れてしまって、しばらく捜しても見付かりませんでした。
子供時代のものからは卒業しても大丈夫だという、何か、お告げのようなものだと思うことにしました。
あの木べらを通して身に付けたものは、もう、私そのものになっているはずだから、あの木べらには頼らなくても大丈夫。
そう思うことにしました。
そう言えば、去年はルセット先生からいただいた木べらじゃないとアロゼの技が使えないと思っていましたが、そして実際そうでしたが、今は木べらが無くてもアロゼの技が使えます。
道具は力を引き出すための補助具のようなもの。
そんなことを考えさせられた一日でした。

サラの日記462(でも、いつか一緒に仕事ができるだけの力はつけておきます)

銀菓神暦2016年7月11日

雨が降ったりやんだりしています。
図書館の雑誌コーナーの窓際に、ツグミさんの姿を見付けました。
ツグミさんの隣からそっと窓を覗いてみると、エマルション先生とミナミ先生が立ち話されているのが見えました。
私に気付いたツグミさんは、小さな声でこう言いました。
「焼きもちも焼かないし、気持ちも伝えないことにしました。でも、いつか一緒に仕事ができるだけの力はつけておきます」
「……それでいいの?」
「はい。必要な時は会わせてもらえます。運命に導かれて。サラさんとルセット先生のことを見ていたら、そんなふうに思えてきました」
ツグミさんの笑顔は透明でした。
「じゃあ……、初めての期末試験、頑張らなきゃね。嫌でも目立つほどの好成績。それと、学年で一番に仮称号取得」
私がそう言うと、ツグミさんは一生懸命声を抑えて笑いました。
二人で自習席の方に移動して、期末試験の勉強に取り組みます。

サラの日記461(「ちょっと頼ってみたくなること、あるだろ? 特にわけは無くても」)

銀菓神暦2016年7月10日

研究室はお休み。
身体がだるくて、何もする気になれない一日でした。

ルセット先生が瓶を抱えて来られました。
「できあがりにはあと二カ月以上かかるんだけどさ、ちょっと味みてみない?」
瓶の中身は、先月採った梅を使った梅酒のようです。
「うん。じゃあ、ちょっとだけ」
ルセット先生は瓶のふたを開けて、グラスに一口分の梅酒を注いでくださいました。

「あの日採った梅で、梅干しも漬けてるんだ。それは、僕らの旅立ちの日に……」
「嘉祥(かじょう)の梅ね。どうしたの? そんな古い言い伝え」
「ちょっと頼ってみたくなること、あるだろ? 特にわけは無くても」
「そうね。……あ、ありがとう。これ、銀菓宝果とはちょっと違った感じでいいかも」
私が空になったグラスをルセット先生に返しながらそう言うと、ルセット先生は、「そうだろ? ただの梅酒じゃないんだ。銀菓宝果に代わる処方箋を考え中」と、ウインクされました。

アロゼの休憩室46「楽しいこと工房のホームページをイメチェンしました」

以前から「なんか違うなぁ~」とは思っていたのですが、
なんやかんやで手つかずだった<楽しいこと工房>のホームページを、やっとイメチェンしました。
『Peanuts Orchestra シリーズ1 篠笛のカリンさん ―篠笛との出合い―』(ISBN978-4-908858-01-7 C0793 文・絵 高橋倫子)の試し読みもできるので、良かったら覗いてみてください。

楽しいこと工房のホームページ
    ↓   ↓

http://tanoshiikotokoubou.web.fc2.com/

「Peanuts Orchestra」シリーズの今後の刊行予定ですが、
可能なら、12月に予定している『…カンド・ナッツ・ホールのひみつ』と、
もう1作の2作同時刊行にしたいな…と、無謀な希望を抱いております。
実際どうなるかは日程や予算によって変わってくるのですが…。

1作目は作者の自叙伝風なお話でスタートした「Peanuts Orchestra」シリーズ。
いよいよ2作目からが本当の「Peanuts Orchestra」の始まりです。
どうぞお楽しみに(^^)/

ホームページ

サラの日記460(菓子工房ミヤマエを拠点にしないかと話せた安心感)

銀菓神暦2016年7月9日

雨上がりの屋上で、光の西瀬忍を吹きます。そのあとで、闇の西瀬忍も。
カリンさんに、うまくいった報告の思いを込めて。

カリンさんから、返事の音色が届いたような気がしました。

一段落しているうちに、期末試験の勉強をします。
今期は、自分の実験とか日常のごたごたで、授業以外の時間にテキストを開くことはほとんどありませんでした。
専門研究の中間報告も仕上げなければなりません。

少し身体がだるいです。
ルセット先生の一件が無事に解決したことと、ルセット先生に、菓子工房ミヤマエを拠点にしないかと話せた安心感で、今まで張り詰めていたものが一気に緩んだせいかもしれません。

サラの日記459(メランジェ製菓室でハーブを煎じているジャックさんの後ろ姿を、ぼんやりと眺めていました。)

銀菓神暦2016年7月8日

ツグミさんに力を貸してもらったあの日から、ツグミさんの表情が少し変わりました。
薄く掛かり続けていた霧が、ゆっくりと消えていったような雰囲気になりました。
ルセット先生の話によると、放課後の特別講座にも、以前よりも真剣に取り組んでいるみたいです。
セパレの力が、負(ふ)の力だけではないということに気付けたようです。

ルセット先生への施術がうまくいったことをカリンさんに報告したくて、光の西瀬忍を持って二年生の棟の屋上に上がりました。
あいにくの雨です。急ぎでもない限り、大切な西瀬忍を濡らしたくありません。
うまくいったのなら慌てなくてもいいと言ってもらってるような気がしました。
雨がやんだら、カリンさんに報告します。

メランジェ製菓室でハーブを煎じているジャックさんの後ろ姿を、ぼんやりと眺めていました。
ジャックさんになら、 安心して花綵(はなづな)アグルムを任せられる。
次の時代は、ジャックさんとゾエさんで……。

サラの日記458(私たち、ここに移らない?)

銀菓神暦2016年7月7日

ツグミさんの放課後講座が終わった後、ルセット先生と二人で、そのまま実家に向かいました。
今日実家に行くことは、父にも母にも話していません。
普段は使うことの無い、屋上に繋がるドアを開けます。

「あのね……」
「うん。何?」
ルセット先生が優しく覗き込んでくれます。
「花綵(はなづな)アグルムのことはジャックさんたちに任せて、私たち、ここに移らない?」
ルセット先生の瞳が曇りました。
「ごめんね、サラ。僕に力が無いから、心配ばかりさせてしまって……」
「ううん。違うの。心配してるんじゃないの。希望の提案よ」
「希望……か……」
「ここを、……ミシェルの城にすればいいわ。……ここの商店街、約五百メートルが、……ミシェルの領地。ミシェルが守る場所」
「……僕は、……ここの人たちに受け入れてもらえるかな……。勝手にサラを巻き込んで、勝手にサラを城にさらってって、挙句(あげく)、うまくいかなくて、勝手にここに転がり込むなんて……」
「だから……、だからここなのよ。ここから、商店街の人たちと一緒になって、一から始めるの」
「……少し、考えてみるよ。これは僕たちだけじゃ決められない」
「うん」
「……ねえサラ?」
「ん?」
「強くなったね。僕なんかよりもずっと、王家にふさわしい人だよ、サラは」
「ミシェルが、そう育ててくれたのよ。ミシェルは今のままで、十分、王太子の役割を果たしてる」

サラの日記457(今年はうちに来ない?)

銀菓神暦2016年7月6日

ルセット先生は、新しい力に少し違和感を覚えつつも、そのほかは問題無く元気そうです。

「ねえ。今年はうちに来ない?」
「え? 今年?」
「明日よ。七夕。今年はうちに来ない?」
「うん。いいよ。サラんとこに行こう」

二人だけだと思っていた製菓室で、ルセット先生とそんな話をしていたら、いつの間にかメランジェ先生がいらっしゃいました。
「んー。……少し雰囲気が変わりましたか? ルセット先生」
「えっ? いえ、何も。……変わってはいないと思いますけど……」
ルセット先生は慌てて着装を解除されました。
「そうですか……。まあ、お二人でうまくやられているのなら安心ですね」
メランジェ先生はそう言いながら、鍋やボールの準備を始められました。

実は明日、ルセット先生に提案したいことがあります。

サラの日記456(「そうねぇ。慣れれば平気」)

銀菓神暦2016年7月5日

昨夜、ツグミさんを城の屋上に呼びました。
ルセット先生は躊躇されていましたが、最後には私の考えにのってくださいました。

ツグミさんがルセット先生の意識体の闇と光を分けている間、私は闇の西瀬忍を吹いて、闇のアロゼを掛けていました。
ルセット先生の意識体にできた穴ぼこに、メランジェ先生とエマルション先生の力の欠片に光を混ぜ合わせたものを埋め込んでいきます。
うまくいけば、光の影響をうまく中和できる力が得られるはずです。

「ミシェル。気分はどう?」
「……んー……。研修医の練習台になった気分……」
ルセット先生は顔をしかめてそう言われます。
「それよりもっとひどいかもよ。マニュアル無しでやってるんだから」
私がそう言うと、ルセット先生はますます顔をしかめられました。

「闇だけの意識体には戻さないんですか?」
ツグミさんが心配そうにたずねます。
「戻さない。戻すと、また同じようなことがあった時に、また同じように治さなきゃならなくなるでしょ? だから、中和の力を埋め込んでおくの」

今日の早朝、着装したルセット先生にゆすり起こされました。
「ねえ、サラ。サラ。これ見て。おかしくない?」
見ると、銀菓神使スーツの首の部分の色が、昨日までの白から、白と黒のマーブル状に変化しています。
「そうねぇ。慣れれば平気」

サラの日記455(「なれないと思いたい?」 )

銀菓神暦2016年7月4日

ツグミさんに話しました。
ルセット先生の、本来全てが闇であるべき意識体に、光がにじみ出てしまっていることを。
そして、その分離を手伝って欲しいということを。

「そんな大事なことを私に話して大丈夫なんですか?」
ツグミさんは声のトーンを落として、私の方を真っ直ぐ見詰めてたずねます。
「……大丈夫。ツグミさんもいずれ、私と同じになるから」
「サラさんと……同じ? ですか?」
「うん。多分、あと二年もしないうちに」
私がそう言うと、ツグミさんはくすくす笑い出しました。
「サラさんって予言者みたいですね」
「予言じゃなくて、勘よ。きっとそうなるわ。だから、予行演習」
「私、どうなるんですか?」
ツグミさんは真面目な顔になりました。
「パートナーを護る人になる」
「パートナーになれると思いますか?」
「なれないと思いたい?」
ツグミさんはゆっくり首を横に振りました。
「じゃあ、手伝って。きっといい経験になるわ。私一人じゃ難しいの。ツグミさんの、セパレの力が必要なの」
今度は、ツグミさんの首がゆっくり縦に動きました。

今夜は新月。
闇の中で、私はルセット先生を護ります。
自分の意志で、ツグミさんの力を借りて。
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